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2009年4月 6日 (月)

四十)
■ 厳しい条件を相手にのませる心理術 ■

「今度の代替金額は100万円でお願いしますよ」すると顧客は「100万円は無理だよ」と、反論してくるであろう。しかし、その場合でも「70万なら何とかしよう」という事になる。
・・・これが最初から「70万でお願いします」と言えば、精々5~60万円止りに終わるに違いない。

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参十九)
■ 自分を良心的だと印象付ける心理術 ■

通常、相手の誤りで損害を受けた側は、当然詫びるべきだという期待を持っている。特に日本人にはこの心理傾向が強い。しかし、ただ頭を下げれば済むというものではない。・・・相手が五の詫びを期待している時に、二か三しか詫びなければ、期待が大きいだけに「なんだ!あの態度は!」と、逆に怒りを買うハメになる。
昨今多発した企業の不祥事に関し、頭を垂れる企業TOP夫々の態度に、危機管理に対する姿勢の相違など気が付く事がありますね。謝り方ひとつで、その企業のモラルも透けて見えたりするものなのです。
謝り方が下手であれば、折角頭を下げても結局は頭を下げた事にならない。
・・・ところが、五の期待に対して、それを上回る謝り方をしたらどうだろう。つまり、四十五度に頭を下げれば済むという低度のミスなのに、頭を床にこすらんばかりに詫びを入れたら、誰しも「そこまでしなくても」という気持ちになるはずだ。
つまり、ここで徹底すれば、ミスに対するペナルティが減殺されるのはもとより、「極めて良心的な人間」というイメージを相手に植え付ける事が出来るのである。

*記憶に新しい、松下(パナソニック)のファンヒーターの不備製品に対する徹底した回収広告。あれは凄まじかった。「流石は世界の松下!」と思ったのは自分だけだろうか?あれだけ徹底してやられたら、逆に信頼感も増してしまうと言うものだ。

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参十八)
■ 相手の警戒心を解き、無防備にさせる心理術 ■

大凡のコメディアンがそうである様に、一種天才的とも言える志村ケンさんなど、普段の実像は、ネクラだそうですね。
・・・例えば、刑事コロンボ。例えば、中村主水。
若い頃、劇団に居た事もある自分は、日頃そうした演技を振舞う事で周りの反応を見て楽しんでいるフシもあるわけだが・・・。
つまり、相手を無防備にするには、こちらがバカを装えば良い。自分の側を相手より上に感じさせず、寧ろ卑俗さえ感じさせる語り口や態度によって、相手に一種の優越感ないし親近感を持たせ、その結果、相手は警戒心を解き、ほとんど無防備になってその人を受け入れてしまうのである。

一見、計算を感じさせない態度、バカやざっくばらんを装った態度こそ、実は高度な“悪の心理術”として絶大な効力を持っているのである。
・・・そう言えば、ビートたけしの演じた座頭市。その中のセリフにこんなのがあった。「めくらを装ってるとな、人の優しさが良く見えるんだよ!」
歴史上の人物で言えば、若かりし頃の織田信長。猿と言われた豊臣秀吉。・・・バカを装う天才を見抜けない者こそ、凡人である。
その点、秀吉の本質を見抜いていた信長も、やはり天才だったわけだが。。。

*これは意外と簡単。地方出身者なら、堂々と方言丸出しで相手と接してみる。。。など。

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参十七)
■ 相手の意見を歪めさせる心理術 ■

権威者の言葉を借りて与えられる先入観には、どんな人間でも弱い。会社でも「社長や部長は、こう考えているらしいが、君の意見はどうだ?」などと言われれば、大抵の人間は異論を唱えないものである。

攻略中の顧客には親会社、または有力な取り引き企業があるだろう。そうした関連窓口に、意外と自社と繋がるコネクションが転がっているものである。例え現場で競合に苦戦していても、口添えを戴くだけで、案外あっさりと物事は逆転するものである。営業における無駄な労度を軽減する為にも、攻略する企業の下調べが如何に大事かお分かり戴けるだろう。

*「例えば御社の取引先である○○社さんでは、当社のソリューションを大変、気に入って頂いておりますが、御社様は、当社のライバル企業と何かご関連がおありなんでしょうか?」

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参十六)
■ 難攻不落の相手を攻略する心理術 ■

ここに、よくある学習セットのセールスマンのスタンダードな手口を紹介しよう。
まずは、自分が何者とも名乗らず、「○○君、居ますか?」と、小学生の子供の名前を呼んで尋ねてくる。母親はてっきり塾の先生かと思い込み、セールスマンを玄関の中に招き入れる。そこで、そのセールスマンは出て来た子供に学習セットの説明を始めるのである。子供の事だから目新しいものには興味を引かれるし、友達も大勢買っているなどと聞かされ、たちまち欲しいという気にさせられてしまう。そこで今度は、「お子さんは欲しいと言っておられますが、如何ですか?」と、親に攻撃の手を伸ばして行くのである。子供も隣で「買ってよ!」とねだってくる。・・・そうなると親心とは弱いもので、たとえすぐに子供が飽きてしまいそうな不安があっても、何とか子供の要求を叶えてやりたいという気持ちが傾いてくる。まして、この場合、勉強に役立つという大義名分もあって、普段は固い財布の紐もついゆるんでしまうというわけだ。

「将を射んとすらば、まず馬を射よ」とは、昔から良く言われる事だが、これは古今を問わず通じる心理でもある。どんな難攻不落の相手でも、必ずどこかに弱みがあるもので、その弱みを発見する事が攻略のポイントとなるが、その点、相手が可愛がっているものは、まさにその人の馬であり、ウィークポイントとなっている事が多い。

*例えば弁護士事務所を例に挙げると、弁護士の先生というと、だいたいが堅物が多く、難攻不落の顧客としてよく挙げられるが、弁護士事務所というと先生1~2人という少人数経営の場合が多く、秘書はだいたい若い女性だったりする。弁護士の先生は多忙で不在がちであり、事務的な運営は、この秘書に任されている事が多いから、先生にすれば秘書の意見は大事にするものである。ここでは、まず受付突破のテクニックが先に必要となる。

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参十五)
■ 教わるふりをして相手に付け入る心理術 ■

新入社員が入社してくる4月頃になると、急にウキウキしてくる古参社員が、どこの会社にも居るものだ。彼等がその時期になると元気を取り戻すのは、確実に自分の前に“教えを乞う”存在が現われるからに他ならない。自分の言う事に素直に耳を傾けてくれる新人社員は、人間が元々持っている「教訓本能」を満足させる格好の標的なのである。勿論、こうした例は、新入社員を待つ古参社員に限らない。人は誰でも、教えを乞う存在を常に待ち望んでいる。だから、相手に付け入るには、相手の「教訓本能」を満足させ、優越感を味あわせてやる為に、こちらが“新入社員”になれば良いのである。
もし貴方が、相手の頑固なガードを突き崩し、相手のスキに付け入ろうと思ったら、人間が本来持っている「教訓本能」を逆用して教わり魔になる事だ。その良い例が老人キラーと呼ばれる人達で、彼らは教わり方が実に上手い。・・・老人と言えば、頑固で批判的で、どちらかと言えば付き合いにくい部類に入るが、その反面で、自分の経験を伝えたい、自分の自慢話を聞いてもらいたいという「教訓本能」を人一倍強く持っている。老人キラー達は、そうした本能をくすぐる為に、叱られようが怒鳴られようが、ひたすら教えを乞うという姿勢を持ち続け、遂にはなかなか気を許さない相手の心の扉を巧みに開けてしまうのである。

*自分の専門分野(商品)に関していやに詳しいマニアックなお客様が居るものだ。・・・そういう場合、構わないからこちらは何も知らないフリをして、どんどん質問をして繰り返し、持ち上げる。「何故そんなにお詳しいんですか?凄いですねぇ」などとふっていくと、説明を拒否する人はあまりいないはずである。これをきっかけにしてどんどん話を進ませて行くのである。

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参十四)
■ 気の無い相手にも話しを聞かざるを得なくさせる心理術 ■

これは、如何に相手の近くに座り込むかという事が大きな課題になってくる。現にベテランセールスマン等が書いているセールスの教科書には、「客の前で、客と一緒に座るタイミングの難しさ」が、必ずと言って良い程書かれている。言い換えれば、この座るタイミングさえモノにすれば、セールスは半ば成功したも同然である。
・・・確かに人間にはこうした傾向が有る。座っている人間には、座って同じ目の高さで話すのが最も通じ易い。しかし、それ以上に、ボディ・ランゲージで言う、相手のボディゾーンに一歩踏み込んだ効果が大きいのである。つまり、相手を排除しようとしている人間は、相手と常に一定距離を置こうとしている。しかし、その壁が破られて一歩中に踏み込まれると、次第に相手を排除出来なくなり、相手を受け入れざるを得なくなって行くのである。相手の近くに座り込むという行動は、このボディゾーンの壁を確実に破る事を示している。

*例えば、筆記用具を取り出して。「実は、それについては、こうなっているんです。」などと言いながら、書くのに適当な場所を探して座り込む。・・・こうすれば、相手も抵抗が無い。

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参十三)
■ 相手に気付かれずに、相手の本音を探る心理術 ■

相手が今、心の中で何を考え、何に悩み、何を求めているのか。・・・その本音を知る事は、相手との関係において自分を数段有利な立場に置ける。しかも、相手が本音を知られた。。。と、いう事を知らないでいれば、その有利は更に強いものとなる。
さて、その方法とは。“隠したがる本音を聞き出すには、他人の意見として語らせれば良い”のである。

良く、雑誌の取材者等が用いる手口として、例えば或る女性が「性」に関してどう考えているかを知りたい時、『貴方の周りの女性は、どう考えているのでしょうか?』と、聞いてみる。・・・すると彼女は、自分の意見ではないので気楽に答えるものだが、そこには紛れも無い彼女自身の考え方が、間接的に投影されているものなのである。

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参十二)
■ 質問をはぐらかして、相手の気勢をそぐ心理術 ■

話しの途中で、全く関係の無い話題をはさむと、相手の気勢をそぐ事が出来る。
・・・この心理原則は、例えば、相手の厳しい追及をはぐらかし、気勢をそぐにはうってつけである。つまり、目を吊り上げて貴方に詰め寄ってくる相手に対して、問題になっているテーマとは全く関係の無い質問を、不意に投げてみるのである。

*「ところで今、何時ですか?」「貴方のその眼鏡、気になって仕方無いんですが・・・度はあってますか?」

などと、話しの前後から外れた脈略の無い質問であればある程良い。・・・相手は一瞬絶句するだろうが、話を先に進めるには、この質問に答えてしまわなければならないと考えたり、逆にバカにするな!と、激怒したりする。しかし、何れにしても相手は、話しの本筋から大きく外れたところに注意をそらされ、勢いをそがれてしまうのである。

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参十一)
■ 相手の怒りをかわす心理術 ■

相手が感情的になっている時は、ひとまず相手の言い分を認め、間を置いてから交渉を始めると、怒りをかわす事が出来る。たとえ自分の論理が正当であっても相手がいきり立っている時に、何が何でも説得してやろうと掛かるのは、相手の怒りを増幅させるだけである。こうした際に肝心なのは、ひとまず相手の言い分を認めてやろうという姿勢を取る事である。通常、人間は言いたいだけの事を言って怒りのエネルギーを吐き出すと、今度は相手の話を聞こうという構えになる。

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参拾)
■ 不満分子を味方にして、集団の不満を沈める心理術 ■

セールスの世界では、“売った相手をセールスマンに仕立てよ”という販売戦略がある。ある意見に最も反対する人は、それなりの深い理由を持っているものだ。極端な事を言えば、反対派全ての意見は、その人の強硬意見に集約されていると言って良い。それだけに抵抗が強ければ強い程、反対派の支持も得易い。その反対者が賛成派に回ると成れば、自分が説得された以上の理由を挙げ、迫力を持って反対派を説得しなければならなくなる。
本人が意識しているかどうかは別にして、不満分子の旗頭こそ、最も強力な説得役になるという理由もここにある。

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弐十九)
■ 相手の猜疑心を麻痺させる心理術 ■

相手の猜疑心を奪うには、出身地、学歴など何でも共通地盤に成りうるものを強調する。我々日本人は、永い閉鎖的な島国社会で生きて来たせいか、欧米人に比べ、身内でないアウトグループに対しては、非常に冷淡で、必要以上に猜疑心を抱く傾向がある。しかしこれが、一旦身内“イングループ”だと解ると、例え初対面の相手であっても、手の平を返した様に打ち解けた雰囲気になるものである。

*「私も以前、○○区に住んでいました」「実は友人が○○市に住んでいまして、良く話しを聞きます」などと話題をつくっていく為にも、ライトマン、担当者の生活環境をも事前にサーベイしておく事は必要なのである。

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弐十八)
■ 相手の判断力を低下させる心理術 ■

これは日頃、自分も実践している事だが、交渉など、最後のツメの話をしに行くのに午前中は選ばない。・・・相手が肉体的に疲労した夕方などを選ぶとうまく行き易い。

人間は、心身ともに正常な状態にあれば判断力も適正に働くし、自己制御も利くが、肉体の疲労は、精神面にも大きな波及効果を及ぼしてくる。体が疲れると集中力に欠け、つい思考が短絡してしまう。こうした頭の回転が悪くなっている状態の時は、批判精神も貧しくなっている為、本心とは異なる事でも賛成してしまうという事は往々にして起こる。

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弐十七)
■ 相手に好感を抱かせてしまう心理術 ■

人間は誰にでも、他人から関心をも持たれたいという秘かな願望が有る。これは、関心を持たれるという事で、自尊心をくすぐられるからに他ならない。会社を訪れた時など、二度目から受付嬢がこちらの顔と名前を覚えていてくれたりすると、その受付嬢が非常に感じ良く思われ、ひいてはその会社自体も良い会社だと言うイメージが出来てしまうが、これも相手が自分に対して関心を示したからである。
こうして、自分の自尊心をくすぐってくれる相手に対して、人は普通、好感を覚えずにはいられないものなのである。

販売のプロは皆、客の顔や名前を良く記憶しているものだ。その上更に、この関心を持たれたいという人間心理を突いて、客に買う気を起こさせるテクニックを駆使してくる。この場合、良く使われるのが、“あなたのために”という事を強調する方法だ。我々が言う「ソリューションセールス」も「コンサルティングセールス」も、実はこういう事である。つまり、他の人の為でなく、他ならぬ貴方の為に。と、差別化する事で、“貴方への関心”を暗に強調するわけである。実際、「貴方だからこれをおすすめする」「貴方だから似合う」など、この種の“貴方の為”は、販売の基本テクニックの一つだが、こうして自尊心をくすぐられると、例え販売テクニックだと解っていても、人は悪い気がしないものだ。

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弐十六)
■ 相手を諦めさせて無力化する心理術 ■

難攻不落の相手には、何度も波状攻撃を繰り返してみる。
・・・自分もそうであったが、競合商談で当方がスマートなソリューションを展開しているところに、結局、競合会社の泥臭い営業スタイルの前に、あっさり完敗してしまうケースも有る。そんなスタイルの競合企業と言えば、思い付く商社があるでしょ?(笑

皆さん思い当たる通り、交渉などでは良く粘る方が勝ちであるが、これは、単純過ぎる程単純な方法では有るが、粘られた方の心理を考えると、決してバカにできない心理作戦である。粘られてイライラが高じてくると、判断力も批判力も低下し、状況打破の為なら不利な条件でも受け入れてしまうという、“諦めの心理”に陥りやすい。

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弐十五)
■ 不要なものまで欲しいと思わせる心理術 ■

海外旅行に行くというと、兎角モノを買い込んでしまう人が居る。それも、決して上手い買い物とは言えず、後から考えると、何でこんなつまらないモノまで買ってしまったのだろうと後悔したと言う話しを良く聞く。では何故、人は海外旅行へ行くと良く買い物をするのだろう。一つには、島国に住む日本人にとって、海外旅行はまだ特別な体験とされている事から来ているのではないだろうかと考えている。つまり、「もう二度とこの地へは来る事もないだろう」などと、無意識の内に考えがちなのである。その為、この最後のチャンスを逃したら、もう同じモノは買えないという、特有の心理状態に陥り、つい余計なものまで買い込んでしまうというわけだ。

考えてみれば、不要なモノまで“欲しい”と思わせるのは、商売、セールスの重要なポイントであり醍醐味でもある。

*時として特価対応商品などを販売するケースがあるが、こういう言い方はどうだろうか?
「今日は、モデルチェンジ前の在庫一掃セールのご提案を“持ってきました”。もう、在庫はこれだけしか残っていません。とても評判が良く、この商品をご案内するのも御社で最後です。安くしておきますよ!」
・・・ここでのポイントは、「要りませんか?」ではなく、「持ってきました!」で、ある。
この様に、「これしかない」「これで最後」などを強調すると、不要な品物まで買い得と思わせる事が出来る。

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弐十四)
■ 敵と和解し、味方に付ける心理術 ■

人間は、目前にある敵が大きければ大きい程、協力者を求める心理が強く働く。
その際、お互いの絆が最も強く結ばれるのは、その敵に対して利害が一致している場合だ。・・・そうした状況になれば、お互いが犬猿の仲であっても案外あっさりと握手が成立する事は、第二次大戦中の米国とソ連の関係を見れば一目瞭然であろう。又、こうした心理法則を逆から考えると、対立している相手と手を結びたい時には意図的に共通の敵を作り上げれば良い事である。

*競合時など、これも自分が実際に良く使う手法だが、競合相手が強力な場合、または自分が劣勢である事に気がついた場合。顧客に進言して、あえて第三の競合会社を意図的にその商談に参画させる事を進言するのである。・・・こうして、第三の競合会社を抱き込んで共同戦線を作って共通の敵にしてしまうわけである。そうして最強の敵を排除した後は、後発参入の第三の競合会社を倒すのは、簡単になる。

*想像戴ける様に、この手法はかなり高度となる。前もっての緻密な計算が必要な事は付け加えておく。

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弐十三)
■ 非協力な相手を自分の側に引き摺り込む心理術 ■

今はそれ程でもなくなったが、忘年会、新年会などという宴席で、決まって軍歌、例えば「同期の桜」を肩を組み合ってガナリ立てるグループが居たものだ。たいてい戦争経験を持つ高年層の人達で、彼らは戦争と言う最も過酷な共通体験を共有する故に、心の深層部分で強い仲間意識を持っているのだろう。本来、「仲間」というのは、“共通の行動をとる人”を差す言葉である。互いに共通した行動目標を持って初めて、仲間意識が芽生えると言っても良いだろう。

つまり、どんなに立場が違っていようが、共通した体験を持つもの同志は、何時まで経っても仲間意識を維持できるのである。

*自分も実際に実践している事だが、非協力な顧客には、自分に協力させるちょっとした行動を意識的にさせる事である。そうする事で、心理的に自分の側に誘い込むことが出来るのである。例えば設置の際、構わないからどんどん客に机を一緒に持ち上げ移動させる様な手伝いをさせるとか、共通体験などその辺に転がっているものである。

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弐十二)
■ 女性に思わずイエスと言わせてしまう心理術 ■

この手法は、自分の知るところでは日本マクドナルド、ファミリーマートなどの接客マニュアルにもあって、実践されている“ボディタッチ方”である。店員からつり銭を渡される時、さり気無く手を触れられているのにお気付きだろうか?

女性をベッドに誘うのに、まさかテーブル越しに話しをすすめる人は居ないだろう。いっぱしのプレイボーイならずとも、やはりそういう時は横に並んで座るなど、それとなく相手の体に触れる事が出来る状況を作り出す様にしている様だ。
昔から言い古された方法だが、女性を説得する際に相手の体に触れるという事は、確かに少なからぬ効果がある。その理由として考えられるのは、一つには、相手を自分のボディゾーンの中に踏み込むのを許した事で、相手を受け入れる心構えが出来てしまうという事だろう。又、体に触れられたという事で、相手に親密感を持つという事も考えられる。
女性は、論理的思考が苦手で、感覚的、直感判断に頼りがちなので、こういう搦め手からの“説得”が功を奏すという説もあるが、何れにせよ、体に触れられる事で説得を受け入れる心構えが出来てしまうというのは、男性にはあまり見られない、女性特有の心理傾向と言えよう。

*勿論これは、紙一重の技であって、TPOもわきまえず、使うシーンを間違えれば逆効果となる事を心得るべきである。
・・・例えば、ある高級婦人靴店の店員は、客に靴を試し履きさせた時、「きつくありませんか、当たる所はありませんか」と聞きながら、靴の上から優しく足に触るという。

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弐十一)
■ 相手の判断を逆転させる心理術 ■

周囲が口裏を合わせれば、案外簡単に相手の考えを変えさせる事が出来るものである。つまり、周りの人が皆、白を黒だと言えば、本当に黒だと思い込んでしまう傾向が人間にはあるのである。人間は、集団の判断の食い違いに直面すると、葛藤を生じるのであるが、結果として集団の判断に従う事で、この葛藤を解消しようとするのである。

この様に、“集団圧力”は、判断を誤らせ、白を黒と言い包めてしまう魔力が潜んでいるのである。

*例えばライトマンが、競合他社に絶対の信頼を置いている様なケース。これには他の従業員全てを自分の味方に付けてしまうやり方であるが、その為の高度な力量が必要なのは言うまでもない。

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弐十)
■ 相手に本音をもらさせる心理術 ■

相手が隠したがっている事を聞き出すには、相手に対して心からの理解を示してやる事である。・・・つまり「私が貴方の立場だったら、やはり同じ事をしていたでしょう」とか、「貴方の立場は良く解る」などと持ち掛けると、案外素直に話し始めてくれる事が多い。

人は、深い同情や理解を示されると、警戒心もゆるみ、言わずもがなの事まで言ってしまうものなのである。

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十九)
■ 見え透いたおだてに相手をのせる心理術 ■

おだては一回だけでなく、二回三回と繰り返した方が相手を乗せる効果がある。
人間は同じ言葉を二度三度繰り返されると、例えそれが全くの嘘であっても、だんだんと信じ込む様になる。何故ならば、大脳が同じ刺激を二度三度と受けるうちに、その刺激が意識の中に暗示として残り、何時しか思考をも支配する様になるからである。

“豚もおだてりゃ木に登る”と言うが、このおだての心理を心得ていれば、嘘もいつの間にか真実に変身し、相手を自分から木に登らせる事も充分に可能である。

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十八)
■ 既成事実で相手を無力化させる心理術 ■

かつて、南極越冬隊のこんな話しを聞いた事が有る。そこでは、隊員が麻雀をする事を禁止していた。しかし、隊員の要望が強い為、一度だけ「試しに・・・」と言って許可したのである。一度試しにやってみれば、麻雀が任務と研究の妨げになる事が理解してもらえると考えたに違いない。・・・ところが、結果は全くの裏目に出てしまった。一度許可が出たのを知った隊員は、麻雀が完全に解禁されたと受け取り、瞬く間に麻雀熱に取り付かれてしまったそうである。「試し」が「試し」でなくなり、完全な既成事実と化してしまったわけである。

この様に、禁止事項を禁止事項でなくさせる為には、「一度だけ試しにやらせて欲しい」と、頼む事である。“試し”で許可を取ったならば、その“試し”を既成事実と化し、その一瞬の隙を突くのである。

*「買って頂かなくても結構です。その代わり、一度だけ使ってみて下さい」

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十七)
■ 乗り気でない相手に腰を上げさせる心理術 ■

乗り気でない相手に協力させるには、「皆もやっている」と言う事を強調すればよい。女性のファッションなどは良い例であるが、人間には他の人達と同じでありたい。仲間はずれになりたくないという、「同調性の心理」が、濃厚に有るという事である。

このように、「皆がやっていますよ」という言葉には、「やっていない」人間を不安に落とし入れ、「自分も仲間入りしなければ」という気持ちにさせるものである。

*「業務改善の為であれば、皆さんが現状のデーターを知らせてくれますよ」
 「こちらの製品など、皆さんが口を揃えて使い易く便利だと仰います」 など。

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十六)
■ 迷っている相手を、決断に踏み切らせる心理術 ■

デパートなどでネクタイ売り場に足を運んだ時、店員がスッと寄って来て「そのスーツに似合うネクタイをお探しですか?」などと問い掛けて来る。こちらはつい「ええ」などと生返事をしてしまい、次第に買わなければならない状況に追い込まれて行く。
買うか買わないかを尋ねる事を省略して、次の段階の「赤か、青にするのか」を迫られると、人間の心理としては買う事を何となく否定しにくくなるのである。

普通、相手を説得するには、まず、第一の前提である買うと言う事を認めさせた上で、第二の前提である“赤か青か”の選択を迫るものだ。ところが、相手からいきなり第二の選択を求められると、こちらはあたかも第一の前提を認めてしまったかの様な錯覚に陥るのである。

*「この品物と、こちら。どちらを先に導入されますか?」
 「設置は週内に致しましょうか、・・・来週の方が宜しいですか?」

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十五)
■ 相手の疑問を封じ込め、納得したと錯覚させる心理術 ■

社会心理学の中で、尋問の心理を扱った興味深い実験例題があった。被験者にまず、都電とトラックの写真を見せ、しばらく経ってから、質問者が「都電の窓から顔を出していたのは何人か?」「トラックの荷台から落ちていた荷物の数は何個か?」と、尋ねるのであるが、実際には人も荷物も写ってはいないのであるが、「3人」とか「2個」などという答えが返ってくるのである。・・・この現象を「誤前提暗示」と言い、尋問の仕方で如何に自白の内容が左右されるかを証明したものである。

「貴方もご存知の様に」と、前置きする事によって、知らない話でもつい、知っている様な気にさせられてしまうのである。

*「この技術が、多くの企業から高い評価を戴いているのは既にご存知だと思いますが・・・」
 「こうしたシステムが、競合他社には真似の出来ない支持を戴いているのはご承知かとは存じますが・・・」

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十四)
■ 情報を、すんなり信じさせる心理術 ■

信じられにくい情報などは、第三者の口を介して伝えると、抵抗無く伝わるものである。
悲しい事実かもしれないが、人間は、人の言葉を素直に聞く耳を持たなくなっている。・・・それだけ裏に様々な思惑を秘めた情報が多くなり過ぎているからだろう。
そうした中で、信じるに足りる数少ない情報が、こうした利害と直接関係のない第三者情報なのである。

*だから日頃、顧客の関連会社は充分にサーベイしておくのが肝心である。

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十参)
■ 重い負担を軽いと錯覚させる心理術 ■

昔、サラリーローンなどが「1万円を1日たった25円の利息で」と、いったキャッチフレーズで客を誘ったのもその手であるが、実際は年利90%の高利になるわけだが、それに気付かず簡単に返済出来ると錯覚してしまいがちだ。意図的に負担を軽く見せようとするこの手の悪の心理術に嵌った結果がどうなるかは、サラ金地獄の責め苦に喘ぐ人の多さが証明している通りである。
・・・考えてみると、こうした言わば“心理的割り算”とも言うべき心理操作の応用範囲は広い。数字にからむ心理操作の例としては、この“心理的割り算”の他に“心理的換算”とも言えるやり方も有る。これは良くご存知の様に「新宿から電車でわずか90分」と、言う類の不動産広告などに見られる数字の言い換えである。1時間30分と言えば、通勤時間としては随分長く思えるが、これが単に単位を変えただけで90分と言われると、分単位の生活テンポの中に組み入れられる短い時間に思えてくるのである。

*「一日たったコーヒー一杯分で、この高機能製品に代替出来ます」など。

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十弐)
■ 話しを論理明解だと錯覚させる心理術 ■

文章も勿論そうだが、ダラダラと説明を述べるのは、相手も要点が掴み難い。・・・相手に、自分は頭の切れる人間だと思わせ、話に説得力を持たせる為には、最初に問題点を三つに絞り込めば良い。
何故ならば人間は、ものを考える時、異なった三つの角度から眺める事に昔から慣れてきているからである。先に「問題は三つ有る」と、断ってやれば、全てがその三つに集約されたかのような印象を与えると共に、相手もより理解し易くなる。

*論旨が曖昧になりそうな話しをする時や、自分の能力を強く印象づけようと思う時には重要なテクニックである。

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十壱)
■ 相手の抵抗力を奪って、譲歩させる心理術 ■

都会では見掛ける事も無いが、重い野菜などを懸命に運んでくる行商のおばさん達を見て、「ご苦労さん」と感じ、“何か買わなくてはいけない”と、言う様な気持ちになるのは何故だろうか。ひとつには、彼女達の背中にずっしりと背負わされた重そうな荷物から受ける一種の“心理的負い目”のせいなのである。

相手に譲歩を迫ろうとしたら、小さな心理的負い目を相手の心に積み重ねて行く事である。即ち、「何か買ってやらなければいけない」という気を起こさせる手であるが。。。人間とは、貸し借りの感情にわりと敏感であり、いずれはお返しをして相手との間にバランスの取れた人間関係を取り戻さなければと、感じるものである。

*土日返上するとか、引越しの手伝いをするなど、色々な手口が考えられるはずである。

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十)
■ 根拠の無い話しを本当らしくみせる心理術 ■

新聞や雑誌などでよく、ニュースソースを明かせない情報を、『信頼すべき筋によると』という前ぶりで伝えるが、・・・そう言われると何か信頼できない気になるのは、ひねくれモノの私だけだろうか???
寧ろ『不確かな情報だが』とか、『ある未確認情報によると・・・』など、その情報が100%確かだとは言いかねる事を最初に告白された方が、その情報に耳を傾けたくなるものである。

また、その情報が後で真実と違っていると発覚しても最初に『不確かだが、』と、断っているのだから、それ程不信感を買う事も無い。

*例えば競合に敗北しそうになった場合などの引き伸ばし作戦のひとつとして『実は・・・、不確かな情報なんですが、2ケ月後に究極の製品が発表されるらしいんです。』・・・などという言い回しなど如何だろうか。

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九)
■ 最大の欠点を隠す心理術 ■

目に見える欠点をひとつ際立たせておくと、他の欠点には注意がいかなくなるものである。

・・・不動産屋のセールスマンの手口のひとつとして、日当たりと騒音に問題が有る事を告げておく。すると、見に来た客は、騒音がそれ程気にならないと分ると、その物件がすっかり気に入ってしまい、・・・駅からかなり遠い距離にある欠点など見落としてしまう。。。と、いう具合である。

*この様に、競合商談などにおいては、自分の売り込もうとする商品の長所ばかり並べ立てる様な事はせず、寧ろ、相手が最も気になりそうな欠点を幾つか挙げておくのである。

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八)
■ 信憑性を強調する心理術 ■

かつて、米国の宣伝業界で、大変話題になった戦略に、「レンタカー会社エイビスのナンバー2宣言」と、言うものがある。この会社はレンタカー会社としては後発で、既に業界のシェアを大幅に握っている企業があった。・・・このシェアにどこまで食い込めるかが、エイビスの大テーマだったのである。TOPの座を求めて凌ぎを削る企業なら、普通はどこでも「ウチが一番!」と、言いたいものだろう。しかしこの会社は、そうはしなかった。「我が社はまだナンバー2です!」と告白し、“だからこそ一生懸命サービスに努めます!”と、訴えた。このPR作戦は見事に功を奏し、エイビスはぐんぐんシェアを伸ばした。
・・・何故、このやり方が成功したのかと言うと、自社にとって言いたくないマイナスイメージを正直に告白し、PR全体の誠実さ、真実さを印象付ける事が出来たからである。

・・・ただでさえ、ウソ、ハッタリばかりが横行する時代にあって、これは確かに新鮮だろう。
人間は誰でも、全ての事にマイナス面とプラス面が有る事を本能的に知っている。・・・従って、物事を客観的に公正に見る限り、“良い事ずくめのものは有り得ない!”と、思っている。逆に言うと、プラス情報だけでなく、マイナス情報を含んだ情報こそ“信じるに足りる”と、考えるものだ。・・・例えば、身近なところで有名デパートのキズモノ・半端モノ大セール。。。あれがそう。その商品の本質を損なわない限り、かえってその商品の確かさを印象付けるから、人が群がって買い争うわけである。

*例題を書かずとも、賢明なる我が同志なら、そこんとこ競合さんとの多角的な観点からの比較例題はお分かり・・・ですよね?

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七)
■ 相手の些細なミスに付け入って、相手を骨抜きにする心理術 ■

交渉等で、こちらが優位に立つ為には、相手のミスを最大限に活用する事である。

・・・例えば、約束の時間に相手が遅刻して来たとする。しかしそこで、もし貴方が遅刻して来た事に関して、何一つ触れなかったとしたらどうだろう。。。相手が謝ってくる前に機先を制して、即座に本題に移る様にするのである。遅刻してきた事に関して何か言ってきたとしても、一切耳を貸さない姿勢を見せる。こうする事で、相手は間違いなく不安な心理状態に陥り、その後の話は主導権を握って進められる。
相手にしてみれば、何かしら不安を抱いたまま、交渉事や込み入った話に参加しても、何故相手が自分を無視したかという事ばかりが気になって、話の内容など上の空という事になってしまう。そうでなくとも「遅刻して申し訳ない」という引け目があるから、思った事も言えなくなってしまうのである。

*こういう心理を逆手にとって、自らが約束の時間より早く行って、相手に恐縮させる方法も有る。

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六)
■ 些細な問題点を突いて、相手を動揺させる心理術 ■

プレイボーイのテクニックの一つに、相手の女性に対して「貴方の襟足は美しい」「目が綺麗だ」など、何か一点に的を絞って繰り返し褒めるというものがある。すると女性は、自分の全体が褒められた様な気になり、頑固だったガードも緩んで心を開いてくると言うが、これは、暗示や説得の手法である『部分刺激』の応用に他ならない。

この『部分刺激』が効果的なのも、人間には、自分の一部に対する褒め言葉を自我全体の褒め言葉と“拡大解釈”してしまう心理メカニズムが往々にして働くからである。この部分刺激は、相手の心理を開かせる時だけでなく、敵を攻撃する場合にも効果を発揮する。・・・つまり、問題点を繰り返し攻め立てるというわけで、この方法はシンプルだが、相手を動揺させる手法としては効果的である。

*「現状では経費がかかり過ぎて大変でしょう」「さぞ、ご不自由されておられるのでしょう?」などと、訪問の度に一言だけ言って帰る。

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五)
■ 理路整然と話す相手のペースを崩す心理術 ■

或る有名な詭弁に「飛んでいる矢は動かない」と言うものがある。“飛んでいる矢も、ある瞬間だけを見れば止ったまま”である。時間は瞬間の連続したものであるが、止っている状態をいくら続けても止ったままである。故に、飛んでいる矢は動かないというものだ。一見、非常に論理的な為、解った様で解らないという一種の混乱を齎すのが、詭弁の詭弁たる所以であろう。
「私は、何も知らないということを知っている。」とは、ソクラテスの余りにも有名な言葉だが、この言葉にも示される様に、同じ「分った!」でも実際の理解のレベルには色々な解釈が出来る。「よっしゃ、わかった!」の、一言で、お互いに別な事を考えているにも関らず、合意に達してしまった様な気になってしまう。
理路整然たる相手に反論しにくいのも、理詰めで何となく解った様な気にさせられてしまうからだが、この様な相手には、同じ理論の土俵に登っても、みすみす相手の策に嵌るだけである。
一般に能弁で論が達つ人には、抽象的レベルで押し通すタイプが少なくない。こうした相手には、具体的レベルに話を下げてやると、ボロが出る事がしばしば有る。

*例えば「前向きに検討する」という言葉には、「前向きの検討とは、具体的に何時迄に返事を戴けるのか、それは金額の点なのか、機種選定の事なのか」・・・と、言う様に“今の話が解りにくかったので具体例を挙げて説明して欲しい”という姿勢で頼むのである。つまり、抽象レベルではなく、具体レベルでの理解を求めるわけだ。これだけで相手は絶句させられる事もあるが、少なくとも相手の論理を分断する事で、相手のペースを崩してしまう効果はかなり有る。
プロスペクトの見極めや、結論を急がせたい時等は重要な話法である。

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四)
■ 手強い相手をコロリと手懐ける心理術 ■

手強い相手、権力を持った人間ほど、フォーマルな場での勝負にはこちらに分が無いが、インフォーマルな顔を良く知れば、相手と対等に渡り合えるのである。

電車の中などで「テメー、コノヤロー!」などと始めるのは、例外無く顔を知らないもの同士である。この様に、お互いに知らないもの同士、或いは自分の顔は知られて居ないという気楽さが無責任な態度をとらせ、暴言や乱暴を生む。「旅の恥はかき捨て」も同じ心理で、誰も知らない他所の土地では、平気で破廉恥な行動に出やすいのが人間である。人間は、相手から知られていないと思うと付け上がるが、知られていると思うと制御が利く。相手を付け上がらせない為にも、こちらが相手を良く知っている事を悟らせれば良い。

*だから、訪問事前の静態情報を熟知しておくのが肝心なのであって、今の様なネット社会ではライトマンの情報など容易く手に入るのだから、是非、活用したい。ライトマンの生活圏、故郷などを把握しておき、話材に繰り出す。・・・これがまた、他の心理効果も生む事になる。

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三)
■ 意外性効果によって、相手の関心を引き寄せる心理術 ■

営業マンにとって、自身の第一印象を強烈にアピールすることは、基本的に重要な事である。

かつて或る人が家を建て直す時、解体業者と一緒に来た大工が、開口一番こう言った。「もう、こんな立派な家は今の時代では造れませんよ、壊すのはもったいないですねぇ」・・・多少お世辞も混じっているのかもしれないが、この「壊せない」という一言で、頼み主はその大工をすっかり信用してしまい、彼らの腕前にも強い信頼感を抱き、安心して任せ切ったという話がある。・・・この様に、初対面の時の言い方ひとつが、かくも人間心理を左右してしまうものなのである。

*「私はまったく営業には向いてない男ですが・・・」
「永く現状の商品を大切にして頂き、有り難い限りです」などと、「オヤッ」と思わせて相手を自分のペースに引き込み、結局は売り込みに成功してしまうのである。

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二)
■ 曖昧な情報を与えて、相手を動揺させる心理術 ■

良く当たるという易者の言葉を聞いていると、「貴方には女難の相がある」などと、曖昧な情報を実に巧妙に駆使していることに気がつく。・・・そんな風に言われれば、大抵の男は一瞬ギクリとして、しきりに自分の経験の中から女難を探し出すのだから、当たらない方が不思議である。・・・こうしてあれこれと考えていくうちに、「自分には女難の相があるのだ」という錯覚に陥っていくのである。

と、言うのも、人間は元々どうにでも取れる曖昧な情報を与えられると、あれやこれやと推測していくうちに、疑心暗鬼に陥ってしまう事があるからである。相手を動揺させようと思ったら、曖昧な情報を与えて、わざと疑心暗鬼の心理状態に追い込めば良いのである。

*「この競合さんの提案は、御社にとって相応しくないものですね」
「この商品は、なるほど・・・調子悪いのも納得できます」

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一)
■ 商談において、こちらのペースに巻き込む心理術 ■

警察の取調べでは、硬軟両タイプの取調官を組み合わせ、頑なになった容疑者の心に揺さぶりを掛ける技法が良く使われる。この様に、厳しい態度を見せた直後に親密感を強調すると、相手のペースを崩すことが出来る。

人間は、威嚇的態度と受容的態度を交互に使われると、通常は一定の流れを示している心理に、大きな振動の波が立つ。こうして不安になった人間の心は、相手の意図する方向に急速に流れ始める。相手をこちらのペースに乗せるのに、こうした心理メカニズムを使わない手は無い。

*競合などによって、優柔不断になってしまった顧客には、商品設定、価格設定などの商談時にはこちらから厳しい態度で接し、商談に入る前、あるいは商談後、または道で会った時などには、世間話に人間味溢れる会話を繰り出し、自分のペースに巻き込んでいくのである。

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営業奥義 六韜三略

2167 自分が培ってきた営業奥義をシリーズで伝授して進ぜよう。営業はパーソナリティだ。どう使いこなすかは君次第。

営業六韜三略。 
文韜、武韜、竜韜、虎韜、豹韜、犬韜 の中から主に虎韜・心理話術略を書いておく。

武運を祈る。

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